Adios Abuelo

今日は私事になりますが。

先週祖父が他界した。
94歳。天寿を全うしての大往生である。

母方の祖父母とは、長年離れて暮らしていて、
盆と正月、年に数回しか会えなかったのだが、
6年前に祖父母が大阪に来てからは、ずっとそばで暮らせた。
2年前に祖母が他界、昨年から祖父が入院、
先週の日曜日に容態が悪化してからも、五日間も頑張って、
子供達、孫達、曾孫達に見送られ、幸せな旅立ちだった。

戦争〜敗戦という激動の日本を生き抜いてきたこの世代は、
現代を担う世代であるはずの私たちの、はるかに及ばない強さを持っている。
晩年祖父母と身近にくらしながら、実にいろんなことを学んだと思う。
家族のこと、人と人の絆のこと、人を思いやる気持ち。
日本の医療や介護のありかた、日本の政治の問題。
生きること、死ぬこと。
ここにはとても書ききれないし、うまい言葉も見つからないけれど、
じいちゃんは、最期に、生きるということはどういうことかを教えてくれた。
これから生きていく、勇気と力を私に残してくれた。

高齢とはいえ、家族にとってはつらいもので、
疎水に佇む鳥を見ては「じいちゃんが会いにきたのか」と思ってみたり、
仕事に行くのに、つい、病院に行く方の車線に入ってしまって、
「もう、いないんだ・・・」と、悲しくなったり。
そういう自分もこれから老いて死んでいくわけで、
若い頃は、「どうせ死ぬんだったら、一生懸命やってもしょうがないんじゃないか？」
と疑問に思ったりしたのが、
今では、「死ぬまでの人生を大切に生きなあかんな」と、思う。
そんなこと言ってて、明日不慮の死を遂げることだってあり得るのだから、
ますます、今日という一日、今という瞬間を大事にせなあかん。
あれもこれもと思うと、人の一生はあまりに短い。

素晴らしい人生と、尊い命を私にくれた、
祖父、祖先達に、感謝、そして、献杯。
・・・・結局飲むんかい・・・・(-_-;)